心と働き方を整える「幸福の3大脳内物質」〜日本人特有の感性と心理的安全性から考える幸福度〜

私は過労とストレスによってうつ状態を経験したことがあります。

そのとき、脳内で分泌される「セロトニン」という神経伝達物質が減少すると、気分の落ち込みや意欲の低下につながることを知りました。

近年、人間の幸福感を支える脳内物質として、「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」の3つが注目されています。

そして、職場づくりの分野では「心理的安全性」という言葉も広く知られるようになりました。

実は、この3つの脳内物質と心理的安全性には深い関係があります。幸福度の高い人生や働きやすい職場をつくるためには、それぞれの特徴を理解し、バランスよく活用することが重要です。

目次

セロトニンは「心の安定」をつくる

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神の安定や安心感に大きく関わっています。

不足すると不安感や抑うつ感が強くなり、ストレスへの耐性も低下します。

セロトニンが活性化しやすいのは次のような場面です。

  • 朝日を浴びる
  • 一定のリズムで歩く、走る、自転車に乗る
  • 深呼吸や瞑想を行う
  • よく噛んで食事をとる
  • 規則正しい生活を送る

特に朝の散歩は、日光浴とリズム運動を同時に行えるため、セロトニン活性化に非常に効果的だといわれています。

セロトニンによる幸福感は「穏やかな幸せ」です。大きな興奮ではありませんが、「今日も悪くない」「心が落ち着く」という安定した満足感を与えてくれます。

オキシトシンは「人とのつながり」を育てる

オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれています。他者との信頼関係や安心感を高める働きがあります。

オキシトシンが分泌されやすい場面には次のようなものがあります。

  • 家族や友人との会話
  • 感謝の言葉を伝える
  • 誰かを支援する
  • ペットと触れ合う
  • 温かいコミュニケーションを行う
  • 相手の話を共感的に聞く

例えば、「ありがとう」と言われたり、「お疲れさま」と声を掛けられたりするだけでも、オキシトシンは分泌されると考えられています。

人は社会的な存在です。いくら収入や地位があっても、孤独感が強ければ幸福感は高まりません。逆に、人との良好な関係性があると心の安心感が生まれます。

ドーパミンは「挑戦と成長」の原動力

ドーパミンは「やる気ホルモン」や「報酬物質」として知られています。

ドーパミンが活性化する場面は次のとおりです。

  • 目標を達成したとき
  • 新しいことに挑戦したとき
  • 成功体験を得たとき
  • 褒められたとき
  • 昇進や昇給をしたとき
  • 趣味や好きな活動に没頭したとき

仕事で成果を上げたり、資格試験に合格したりしたときの達成感は、まさにドーパミンによる幸福感です。

ただし、ドーパミンには注意点もあります。強い快感を求め続ける性質があるため、「もっと成果を」「もっと評価を」と求め続けると、終わりのない競争に陥ることがあります。過度なストレスや燃え尽き症候群の背景には、ドーパミン偏重の生き方が隠れていることもあります。

心理的安全性が3つの幸福物質を高める

近年、多くの企業で注目されているのが心理的安全性です。

心理的安全性とは、「自分の意見を安心して言える」「失敗しても人格を否定されない」「困ったときに助けを求められる」と感じられる状態を指します。

心理的安全性の高い職場では、

  • 安心感によってセロトニンが安定する
  • 信頼関係によってオキシトシンが増える
  • 挑戦が評価されることでドーパミンが活性化する

という好循環が生まれます。

反対に、叱責や圧力が強く、人間関係が悪い職場では、慢性的なストレスによって心身が疲弊し、幸福感は大きく低下してしまいます。

幸福度を高めるため、社労士のわたしが出来ること

日本人は真面目で責任感が強く、仕事を頑張り過ぎる傾向があります。そのため、ドーパミンによる「成果の幸福」ばかりを追い求める人が少なくありません。

しかし、本当の幸福はドーパミンだけで成り立つものではありません。

私が実践していること

  • 早寝早起きをして、ジムでの筋トレなど適度な運動によってセロトニンを整える。
  • 子供たちとのハグや家族との会話・感謝の言葉を増やし、オキシトシンを育てること。
  • 小さな出来たことを書き出して、自分を褒めてドーパミンを活性化すること。

つまり、セロトニンで「心を整える」、オキシトシンで「人とつながる」、ドーパミンで「成長を楽しむ」、この順番こそが好循環のサイクルなのです。

私自身、うつ状態を経験したことで、幸福とは単に仕事での成功や収入を増やすことではなく、「心の安定」「人とのつながり」「成長する喜び」のバランスにあることを学びました。

人生100年時代と言われ、これまで以上に働く時間が伸びる中で、仕事の成果だけでなく、脳が本来求めている幸福の仕組みを理解する必要があります。

セロトニン、オキシトシン、ドーパミンを上手に活用しながら、心理的安全性の高い職場をつくること。

これを事業主とともに実現することで、従業員ひとり一人の幸福度は確実に高まっていくでしょう。これこそが持続可能で豊かな会社づくりへの近道なのではないかと考えています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

植松雄二郎のアバター 植松雄二郎 社会保険労務士
目次